復刻版・ロイヤルクラウンダービー社のタイタニック号シリーズ「タイタニックとは」

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  あまりにも大きな悲劇と、繰りひろげられた壮大なドラマの魅力から、世界でもっとも有名な豪華客船となった「タイタニック号」。今年は建造から100周年を迎え、そして今年の4月は、悲劇的な出来事から100年のメモリアルイヤーとなります。

タイタニック テーブルウェアシリーズ

白地に金色とグリーンで月桂樹を花輪のように配したデザインは、清楚で優雅な印象を与えます。

  260年の歴史を誇る英国の陶磁器ブランド、ロイヤルクラウンダービーも、実はタイタニック号と深い関わりがあります。 「海に浮かぶ宮殿」と称されたタイタニック号のなかでも、とりわけ豪奢を極めた1等船室専用のレストラン「アラカルト」で使用されていた食器が、ロイヤルクラウンダービーのものだったのです。この食器は、クリスティーズのオークションでもほとんど出品されることがなく、幻のテーブルウェアとして知られてきました。
  今回、100周年を記念してテーブルウェアを復刻、限定販売することになりました。 一枚の皿を通して、100年の時を超えて甦る愛と悲劇の物語を4回シリーズでお届けしたいと思います。

3皿目 最後の晩餐

  1912年4月14日。今から100年前のこの夜、タイタニック号の1等船室専用レストラン「アラカルト」は、いつにも増して華やかな雰囲気に包まれていました。ルイ16世様式の格式あるレストランに隣接する応接間では、弦楽トリオがプッチーニやチャイコフスキーの曲を奏で、正装の男性陣にエスコートされた女性たちが、最新のパリのファッションや宝石を身につけて、おしゃれを競い合いながら、ピンクのバラと白いデイジーが飾られたテーブルに着きました。ひときわ華やかな大テーブルでは、アメリカの大富豪が主催するディナーパーティが開かれ、そこにはエドワード・J・スミス船長の姿もありました。
タイタニック号には70種類のシャンペン、54種類のボルドーワインをはじめ、さまざまな酒類が積載されていたそうですから、この晩はおそらく、高級シャンペンが惜しげもなく振る舞われたことでしょう。フランス生まれの気鋭のシェフ、ピエール・ルソー料理長が用意した料理のメニューは残念ながら残っていません。が、生存者の話から、その贅を尽くした料理の一端がうかがえます。

タイタニック テーブルウェアシリーズ

レストラン「アラカルト」では、美食家たちの舌をうならせる豪華な料理が振る舞われました。

  前菜にはキャビアやチドリの卵のような珍味が何種類か。主菜は、濃厚なソースに包まれたオマール海老の一皿や、新鮮なチェリーをたっぷり使い、ブランデーで仕上げたソースを添えたエジプト産の鶉のローストなどがあったようです。美食家たちの舌をうならせた豪華な料理を、ロイヤルクラウンダービー社製の白地に金色とグリーンで月桂樹を花輪のように配したお皿が、よりいっそう引き立てたことでしょう。デザートにはチーズや温室栽培のブドウや採れたてのモモ……。これらフレッシュな果物は、この時期の英国では調達が難しいので、南スペインや北アフリカから取り寄せて積載したといわれています。
1等船客の多くは、食事が終わると、応接室に移って食後酒やコーヒーなどを楽しむのが常だったといいます。その夜は晴れ渡り、寒く、海は鏡のように静かでした。そして乗客・乗員2223人の運命のときが、刻一刻と近づいてきます。次回、4皿目では、タイタニック号が残した愛の物語とともに、テーブルウエア復刻のお知らせをいたします。お楽しみに。
*参考文献『タイタニックの最後の晩餐』(1999年 国書刊行会刊)

チャールズ皇太子ご夫妻がロイヤルクラウンダービー本社工場訪問(2011年2月18日撮影)

「タイタニック展」

2011年2月より7月まで、ロイヤルクラウンダービー本社にて「タイタニック展」が開催されました。
この展覧会に来訪されたチャールズ皇太子ご夫妻のご様子、展示風景などを、こちらのページにてご紹介しております。

「タイタニック展」の様子は、こちらから>>

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1皿目 レストラン「アラカルト」
2皿目 描かれた月桂樹の葉
3皿目 最後の晩餐
4皿目 エターナル・ラブ(永遠の愛)
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