• HOME
  • コラム イギリスは面白い

コラム イギリスは面白い - Column

画像:イメージ

 第1話「KING誕生!」でお話ししたように、アルフレッド大王(Alfred the Great 871~901)は、ローマ帝国がイギリスから撤退した後にやってきたゲルマン系の中の、アングロ・サクソン人の中から誕生した「王」であった。賢者とも謳われる程の見事な統治を行ったアルフレッド大王の偉功は、それでも死後100年しかもたなかった。自ら吟遊詩人に変装してイギリスの中にあるデーン人部隊の基地を偵察するほど、デーン人の野蛮で略奪的な傾向に神経を尖らせていたアフルレッド大王であったが、ひ孫の代の1016年に、デーン人に征服されてしまう。もっとも、デーン人も同じゲルマン系であったから、先にブリテン島にやって来ていたゲルマン系をアングロ・サクソンと呼んでいただけだとすると、ゲルマン系による支配であったことには変わりはないのであるが。それから再びアングロ・サクソン人のエドーワドが王に就く1042年迄の26年間デンマーク王室による支配が行われたのだった。

 デーン人王初代カヌート王(Knute:「クヌート」と呼ぶこともある)は、イギリス王になったとき、デンマークとノルウェーの王も兼ねていた。地理的にも海を隔てて離れている王国を治めるというのは容易ではないが、それを可能にしたのは、カヌート王の「賢さ」であったという。当時、ヨーロッパで最も目立っていたこの王は、海さえもカヌート王には従うだろうと臣下に言わせるほどの権力をもっていた。カヌート王(在位1016~1035)の時に、後世迄語り継がれる物語が生まれた。直接国王に関する話ではないのだが、考えさせられるストーリーなので披露したい。

レオフリック卿夫人のレディ・ゴディバ

 カヌート王の家来であったレオフリック卿は、税金をとりたてることに執着した。民衆は暗い気持ちになるばかり・・・。そんな皆の気持ちを察してか、レオフリック卿夫人のレディ・ゴディバ(Lady Godiva)は夫に、これ以上厳しい徴収をしないように頼んだ。それに対しての返事が、「裸で馬に乗り、村中を廻りなさい、そうすれば考え直してやろう」というものだった。レオフリック卿の神経が正常であったかどうかとの議論は別の機会にゆずるとして、レディ・ゴディバはその夫の屈辱的ともいえる条件をのんだのである。その日、村の住民は、自分達の為に裸になったレディ・ゴディバを見ないよう、窓を閉め切り、カーテンをおろし、心の中で彼女の勇気に感謝しながら時の過ぎるのを待ったという。約束は果たされた。なんという献身的な行為だろう。

以降イギリスの歴史には、志の高い女傑が次々と顔を出す。そして、この夫人の名はイギリス国民に語り継がれ、今では、イギリスのみならず世界的に有名になっている。そう、皆様もご存知のあの有名なチョコレート会社の名前の由来は、ここから来たのである。(by S.S)

PAGE TOP